外国人によるカナダ不動産購入2年間凍結立法

2022年6月23日に成立したカナダの法律 ”The Prohibition on the Purchase of Residential Property by Non-Canadians Act” は、高騰する不動産価格を抑制するためにトルドー首相が選挙公約とした外国人による不動産購入を2年間禁止する法案で2023年1月1日より施行されます。いくつかの例外規定を除き2024年末までは外国人がカナダの居住用不動産を購入することが出来なくなりますので、購入する必要がある方は今年度中に取引を完了するか、2025年の解禁を待つ必要があります。2025年の解禁後は不動産購入が殺到することも予想されますので早めの計画が肝要と思われます。

詳しくは下記のリンク:カナダの金融公社Canada Mortgage and Housing Corporationのウェブサイトをご覧ください。

Should foreign investors be banned from buying property? | CMHC (cmhc-schl.gc.ca)

ついにカウントダウン?カナダの外国人投資家締め出し政策

2021年度カナダ国政選挙が9月20日に迫りつつありますが、2大政党であるリベラル・コンサーバティブパーティーの不動産政策は足並みを揃え ”2年間の外国人による不動産購入禁止” を謳っています。これは常態化している超過需要により上がり続ける不動産価格を抑制し、若い世代のカナダ居住者が不動産購入できるように促すことを目的としています。

CBCの世論調査では9月13日現在でリベラル・コンサーバティブ共に31%以上(2大政党計63%以上)の支持率があることから、この公約が現実化するのは時間の問題かと思われます。

外国人投資家が締め出される一方で、コロナ後の景気回復を見据える移民立国カナダは21-23年度の移民受け入れ数を40万人以上と設定し(2020年は18万4千人)ていることから、投資家締め出し政策にかかわらず安定した不動産需要が見込まれ、さらには締め出し政策の終了後・外国人投資家の回帰を見据えた国内投資家の動きが活発化することから、目的の価格抑制にどれほどの効果があるかは疑問が残ります。

法案成立・施行までは数か月はかかる事かと思います。カナダ・アルバータ州での不動産投資をご希望の方は手遅れとなる前にお問い合わせください。

アパート・タウンハウススタイルの物件は25万~30万カナダドル程度、戸建て物件は50万カナダドル前後でテナント需要のある優良物件が見つかります。当地での住宅ローンをご希望の方は35%の頭金が必用です。ローン無しでの購入であれば、オンラインでの物件紹介・購入手続き・支払い・物件引き渡しまで、カナダに入国することなく取引完了することもできます。

購入後の不動産・テナント管理は当地にて実績のある弊社にお任せください。

2021年9月13日 | Category : その他 | Author : J CAPITAL REALTY admin

MLS リスティングルールの変更

2020年4月7日、Alberta Real Estata Association よりコロナウイルス蔓延の影響によるMLS上での不動産売却時の見学依頼に関するルール変更(緩和)の発表がありました。

これまでは規約2.03.bの規定により、MLSに売りに出されている物件は見学依頼を受けた24時間以内に内覧可能である必要がありましたが、不特定多数の見学者によるコロナウイルス媒介を防ぐ目的で、売主は見学依頼を拒否することができるようになりました。

物件購入実務的にはまずオンライン上での写真・ビデオリンクの閲覧とエージェントによる物件調査の上購入オファーを行い、仮契約(合意)に至った場合にのみ内覧が可能になるケースが増えるものと思われます。内覧の上、物件が思っていたのと異なる場合には契約を白紙撤回することができるための条件付きオファーとする必要があります。

コロナウイルス感染症が蔓延し始めて以来、見学者による汚染を避けるためMLS上での売却を見合わせていた売主にとっては、実際にオファーをしてくれる真剣なバイヤーのみの内覧とすることができるため、今後売り出し物件の増加に寄与するルール変更であると思われます。

土地利用に関するルール変更とバックヤードスイート

2018年3月12日にカルガリー市議会は、長年議論されていたセカンダリースイート規定の緩和に係る修正事項を市の土地利用方法を定める条例であるLand Use Bylawに追加することを承認しました。
セカンダリースイートとは居住用物件の母屋内にありながら玄関、台所、バスルーム、寝室等が母屋とは別になった構造の二世帯住宅の様なもので、ベースメントスイート等に代表されます。
ここでの大きな修正点は、今までセカンダリースイートの建築が認められていなかったR-1, R-C1, R-C1Lに分類される居住用区画において、条件付きながらもその建築が認められる可能性が産まれたことです。

セカンダリースイート建築の許認可過程においてはPermitted useとDiscretionary use と呼ばれる二通りの土地利用に係る用途規定があります。前者は当該物件が建築基準、消防法や土地利用規定等の基準を満たす限りは許可される用途一覧でDevelopment permitの申請が免除されます。
後者は前者同様の基準を満たした上でDevelopment permitの申請が必須となり、その審査過程には隣接する住宅所有者や当該コミュニティからの意見聴取等も含まれます。結果次第では申請内容の変更を求められたり、それ自体が却下される可能性もあります。

市が重要視するポイントの一つとしてはその隣接住宅やコミュニティへのインパクトがあります。あなたの申請がその地域に有用で利益をもたらすものかが判断されることになり、またその分時間もかかります
今回の変更に係るボーナス的な措置として、本来求められるDevelopment permitの申請費用が2020年6月1日まで免除されるのは特筆すべき点かもしれません。

バックヤードスイートのポテンシャル

今回のルール変更はR-1, R-C1, R-C1L区画のバックヤードスイートには適用除外となっていますが、近い将来のルール変更を見据えてカルガリー市は現在その情報収集(バックヤードスイートのデザイン等)をしています。

バックヤードスイートに代表されるスタイルは、裏庭のある戸建て物件で、尚且つバックレーンに面するディタッチのガレージの上に作られたスイートです。2階建て構造のガレージを想像すると良いでしょう。

確証はないものの近い将来R-1, R-C1, R-C1Lの区画でもバックヤードスイートの建築が認められる可能性があります。需要があるから議論されている、需要があるから建築される、と考えると、将来その需要の見込まれるエリアには付加価値が付く可能性があると言えるでしょう。

現在お住いのエリアがR-1, R-C1, R-C1Lの区画に該当する方、あるいはこれから不動産購入を予定してらっしゃる方はこのルール変更の行方を気に掛けるのも良いかもしれませんね。需要が見込まれる場所の特定は難しいものの、ポイントの一つとしては“ディタッチのガレージ建築に好ましいバックレーンがあること”でしょう。

ご自宅がどの区画に分類されるのか?より詳しい情報にご興味のある方向けリンク
http://www.calgary.ca/PDA/pd/Pages/Home-building-and-renovations/Applying-For-A-Secondary-Suite.aspx

2018年5月9日 | Category : その他 | Author : J CAPITAL REALTY admin

12月カルガリー不動産市況

2017年12月のカルガリー不動産市場は全ての住宅タイプにおいて販売(需要)が改善し2か月連続で長期的な平均に達したものの、同時に新規売り出し物件(供給)も典型的な12月のレベルに増えたため、結果として市全体のベンチマークプライスは5か月連続で下がりました。

戸建て市場は2017年上半期は販売が好調で価格上昇となりましたが、価格の上昇は売り出す好機と判断され売り物件が増えたことにより上昇が抑えられることとなりました。結果として2017年通年の戸建てベンチマークプライスは$504,867となり、前年比で0.63%の上昇に落ち着きました。

タウンハウスや2世帯住宅スタイルの物件も年初から第三四半期まで同様に価格上昇がみられましたが、第四四半期には増加する売り物件の影響もあり、2017年通年のベンチマークプライスは$332,325となり、前年比ではマイナス0.13%の微減に落ちつくこととなりました。

アパートメントスタイルの集合住宅に関しては、引き続く供給過多が新築・中古市場共に重しとなり前年比で4%の下落となり、2015年からのリセッションからは12%の下落となっています。

多くの経済指標が改善する中で、2017年カルガリー不動産市場は第四四半期を強い販売の増加で終えましたが、同時に景気の回復を待ちわびていた売り物件が増加する両側面を持つ年となりました。

買える家が小さくなる?ー2018年1月1日より

1月1日から銀行からの住宅ローンを利用しての購入可能額が大幅に減る?

10月17日火曜日、カナダの銀行を監督する機関OSFI(The Office of the Superintendent of Financial Institutions)より、住宅ローン(モーゲージ)の貸出時のルール変更・審査基準の厳格化(ストレステスト)のためのガイドラインが発表されました。新たなルールは2018年1月1日より適用され、これまではストレステスト適用外であった不動産購入時の頭金20%以上のケースが対象となります。

今年度末までの貸出審査では実際の貸出金利(現在は3%前後)を用いて貸出限度額が算出されますが、来年からは審査時点での実際の貸出金利に2%上乗せした数字(あるいはカナダ中央銀行のベンチマーク金利どちらか大きい方)を用いて貸出限度額が算出されます。

例として、年内に20%の頭金で最大50万ドルの物件購入が可能な購入者が、年明けに同じ条件で審査をうけると最大購入可能額が$406,844となります。概算ではありますが購入可能額が約18%ほど下がることになります。

年内 年明け以降 NOTE
① 審査に利用される金利 3% 5% 想定値として3%利用。ポイントは年明けに2%追加された金利が利用されること。
② 月の返済額 $1,893- 返済限度額は収入の一定率なので、ここでは購入物件価格にかかわらず同額とします。$1,893-は年内に50万ドルの物件を購入するのに必要とされる返済額です。
③ 返済期間 25年
④ 借入可能額 $400,000- $325,475- 借入可能額は①②③により決まります。
⑤ 頭金20% $100,000- $81,369-
⑥ 購入可能額 $500,000- $406,844- ④+⑤
この例では購入可能額が18.6%減少

年明けにモーゲージを利用しての不動産購入をお考えの方は、大幅なプランの変更を余儀なくされる可能性があります。心当たりがある方は早いうちに当方あるいはモーゲージスペシャリストへご相談されることをお勧めします。

OSFIウェブサイト
http://www.osfi-bsif.gc.ca/Eng/osfi-bsif/med/Pages/B20_dft_nr.aspx

2017年10月21日 | Category : その他 | Author : J CAPITAL REALTY admin

2017年8月 カルガリー不動産市況

8月のカルガリー不動産市場は前年同月比で販売数に改善がみられるものの、新規売り物件の増加により売り在庫数が前年比16%増の6,624戸となりました。

CREBチーフエコノミストAnn-Marie Lurieによると「就業率の改善が販売に寄与しているものの、直近の新規売り物件の増加分を相殺するには十分ではなく、結果として在庫量の積み増しにつながっている」とのことです。

8月のベンチマークプライスは前月比で0.3%下がり$442,300となったものの、前年同月比ではおよそ1%の改善となりました。

住宅のスタイル別販売動静は戸建て部門では地域毎に異なり、NW,West, SEエリアはいずれも在庫数が3か月分を下回り、特にWestエリアでは品薄感がベンチマークプライスの大幅改善、前年比で5.48%上昇につながっています。

対照的にアパートメントスタイルの集合住宅は在庫数が7か月分を上回り多くのエリアでベンチマークプライスが前年同月比で下落していて改善には今しばらく時間を要するものと思われます。

就業率の改善は主にエネルギー産業の外で起きており、本格的な不動産市場の改善には広範囲での経済指標改善が必要が求められます。

2017年7月 カルガリー不動産市況

7月のカルガリー不動産統計によると、今年前半のカルガリー不動産市場全体では販売が回復したものの、7月は前年比で6%スローダウンしたとの事です。ちなみに1月から7月末までの前年同期比では9%の増加。

CREBプレジデントのDavid Brown氏によると今年はこれまでの販売数は予想を上回っていたものの、本格的な回復には尚時間を要すると述べています。

直近の販売減は増加する新規売り物件(需要)や住宅ローン融資基準の引き締めが、和らぐ需要と相重なり回復を遅らせるであろうとも述べています。

 

Broker’s Note

6月ころからの新規売り物件(供給)の増加は予想を上回るもので、また年初に比べ低迷している油価の影響かバイヤー(需要)が慎重になりつつあるようで、カルガリー不動産市場全体の減速につながっているようです。

スタイル別では新築供給の止まないアパートメントスタイルの苦戦がめだつ一方、戸建てやAttached部門は比較的堅調であり、また市内ではエリア別に明暗が分かれています。

カルガリー不動産市場全体の前年同月比ベンチマークプライスは1.58%上昇しているものの、比較的好調な戸建て市場でも目安の在庫量3、000件を上回ってきたことから今後上に振れるか下に振れるかを見極める必要がありそうです。

2017年5月 カルガリー不動産市況

カルガリー不動産協会の統計によると、5月のカルガリー不動産市場は戸建て部門に牽引される形で4か月連続で価格回復傾向にあります。

価格水準が2014年レベルに戻るにはまだしばらく時間がかかると思われるものの、戸建て部門では2015年6月以来初めて前年同月比で1%の価格上昇となりました。販売数の回復が目立つ価格帯は60万ドル以上1ミリオン以下となっており、需給の点でタイトなのがNW,価格の点で最も上昇しているエリアはスプリングバンクやアスペン等のコミュニティが属するWestとなっています。

2世帯住宅やタウンハウス等のAttached部門も、戸建て部門同様需給バランスが整いつつありますが、価格の点ではまだピーク時より4.7%下回っており、また前年同期比でも2%下回っています。

コンドミニアム等のアパートメント部門はカルガリー市の全在庫の30%を占めており、前年同月比で在庫量が11%増を記録、NWを除く全域で在庫が増えています。特にSEやSouthでは増え続ける新築物件の影響を受け在庫の増加が目立ちます。全体の価格の点では前年同月比で2.9%下回っています。

 

Broker’s note

カルガリー不動産市場は戸建て部門に牽引されるものの、5月の戸建て総在庫数は1月から4月までの増加ペースを上回り多少供給過多となるトレンドが見られます。今後需給バランスに注視する必要があります。