2017年8月 カルガリー不動産市況
8月のカルガリー不動産市場は前年同月比で販売数に改善がみられるものの、新規売り物件の増加により売り在庫数が前年比16%増の6,624戸となりました。 CREBチーフエコノミストAnn-Marie Lurieによると「就業率の改善が販売に寄与しているものの、直近の新規売り物件の増加分を相殺するには十分ではなく、結果として在庫量の積み増しにつながっている」とのことです。 8月のベンチマークプライスは前月比で0.3%下がり$442,300となったものの、前年同月比ではおよそ1%の改善となりました。 住宅のスタイル別販売動静は戸建て部門では地域毎に異なり、NW,West, SEエリアはいずれも在庫数が3か月分を下回り、特にWestエリアでは品薄感がベンチマークプライスの大幅改善、前年比で5.48%上昇につながっています。 対照的にアパートメントスタイルの集合住宅は在庫数が7か月分を上回り多くのエリアでベンチマークプライスが前年同月比で下落していて改善には今しばらく時間を要するものと思われます。 就業率の改善は主にエネルギー産業の外で起きており、本格的な不動産市場の改善には広範囲での経済指標改善が必要が求められます。
買える家が小さくなる?ー2018年1月1日より
1月1日から銀行からの住宅ローンを利用しての購入可能額が大幅に減る? 10月17日火曜日、カナダの銀行を監督する機関OSFI(The Office of the Superintendent of Financial Institutions)より、住宅ローン(モーゲージ)の貸出時のルール変更・審査基準の厳格化(ストレステスト)のためのガイドラインが発表されました。新たなルールは2018年1月1日より適用され、これまではストレステスト適用外であった不動産購入時の頭金20%以上のケースが対象となります。 今年度末までの貸出審査では実際の貸出金利(現在は3%前後)を用いて貸出限度額が算出されますが、来年からは審査時点での実際の貸出金利に2%上乗せした数字(あるいはカナダ中央銀行のベンチマーク金利どちらか大きい方)を用いて貸出限度額が算出されます。 例として、年内に20%の頭金で最大50万ドルの物件購入が可能な購入者が、年明けに同じ条件で審査をうけると最大購入可能額が$406,844となります。概算ではありますが購入可能額が約18%ほど下がることになります。 年内 年明け以降 NOTE ① 審査に利用される金利 3% 5% 想定値として3%利用。ポイントは年明けに2%追加された金利が利用されること。 ② 月の返済額 $1,893- 返済限度額は収入の一定率なので、ここでは購入物件価格にかかわらず同額とします。$1,893-は年内に50万ドルの物件を購入するのに必要とされる返済額です。 ③ 返済期間 25年 ④ 借入可能額 $400,000- $325,475- 借入可能額は①②③により決まります。 ⑤ 頭金20% $100,000- $81,369- ⑥ 購入可能額 $500,000- $406,844- ④+⑤ この例では購入可能額が18.6%減少 年明けにモーゲージを利用しての不動産購入をお考えの方は、大幅なプランの変更を余儀なくされる可能性があります。心当たりがある方は早いうちに当方あるいはモーゲージスペシャリストへご相談されることをお勧めします。 OSFIウェブサイト http://www.osfi-bsif.gc.ca/Eng/osfi-bsif/med/Pages/B20_dft_nr.aspx
12月カルガリー不動産市況
2017年12月のカルガリー不動産市場は全ての住宅タイプにおいて販売(需要)が改善し2か月連続で長期的な平均に達したものの、同時に新規売り出し物件(供給)も典型的な12月のレベルに増えたため、結果として市全体のベンチマークプライスは5か月連続で下がりました。 戸建て市場は2017年上半期は販売が好調で価格上昇となりましたが、価格の上昇は売り出す好機と判断され売り物件が増えたことにより上昇が抑えられることとなりました。結果として2017年通年の戸建てベンチマークプライスは$504,867となり、前年比で0.63%の上昇に落ち着きました。 タウンハウスや2世帯住宅スタイルの物件も年初から第三四半期まで同様に価格上昇がみられましたが、第四四半期には増加する売り物件の影響もあり、2017年通年のベンチマークプライスは$332,325となり、前年比ではマイナス0.13%の微減に落ちつくこととなりました。 アパートメントスタイルの集合住宅に関しては、引き続く供給過多が新築・中古市場共に重しとなり前年比で4%の下落となり、2015年からのリセッションからは12%の下落となっています。 多くの経済指標が改善する中で、2017年カルガリー不動産市場は第四四半期を強い販売の増加で終えましたが、同時に景気の回復を待ちわびていた売り物件が増加する両側面を持つ年となりました。
MLS リスティングルールの変更
2020年4月7日、Alberta Real Estata Association よりコロナウイルス蔓延の影響によるMLS上での不動産売却時の見学依頼に関するルール変更(緩和)の発表がありました。 これまでは規約2.03.bの規定により、MLSに売りに出されている物件は見学依頼を受けた24時間以内に内覧可能である必要がありましたが、不特定多数の見学者によるコロナウイルス媒介を防ぐ目的で、売主は見学依頼を拒否することができるようになりました。 物件購入実務的にはまずオンライン上での写真・ビデオリンクの閲覧とエージェントによる物件調査の上購入オファーを行い、仮契約(合意)に至った場合にのみ内覧が可能になるケースが増えるものと思われます。内覧の上、物件が思っていたのと異なる場合には契約を白紙撤回することができるための条件付きオファーとする必要があります。 コロナウイルス感染症が蔓延し始めて以来、見学者による汚染を避けるためMLS上での売却を見合わせていた売主にとっては、実際にオファーをしてくれる真剣なバイヤーのみの内覧とすることができるため、今後売り出し物件の増加に寄与するルール変更であると思われます。
外国人によるカナダ不動産購入規制の兆し
外国人によるカナダ不動産購入2年間凍結立法
2022年6月23日に成立したカナダの法律 ”The Prohibition on the Purchase of Residential Property by Non-Canadians Act\” は、高騰する不動産価格を抑制するためにトルドー首相が選挙公約とした外国人による不動産購入を2年間禁止する法案で2023年1月1日より施行されます。いくつかの例外規定を除き2024年末までは外国人がカナダの居住用不動産を購入することが出来なくなりますので、購入する必要がある方は今年度中に取引を完了するか、2025年の解禁を待つ必要があります。2025年の解禁後は不動産購入が殺到することも予想されますので早めの計画が肝要と思われます。 詳しくは下記のリンク:カナダの金融公社Canada Mortgage and Housing Corporationのウェブサイトをご覧ください。 Should foreign investors be banned from buying property? | CMHC (cmhc-schl.gc.ca)
外国人によるカナダ不動産購入2年間凍結立法
2022年6月23日に成立したカナダの法律 ”The Prohibition on the Purchase of Residential Property by Non-Canadians Act” は、高騰する不動産価格を抑制するためにトルドー首相が選挙公約とした外国人による不動産購入を2年間禁止する法案で2023年1月1日より施行されます。いくつかの例外規定を除き2024年末までは外国人がカナダの居住用不動産を購入することが出来なくなりますので、購入する必要がある方は今年度中に取引を完了するか、2025年の解禁を待つ必要があります。2025年の解禁後は不動産購入が殺到することも予想されますので早めの計画が肝要と思われます。 詳しくは下記のリンク:カナダの金融公社Canada Mortgage and Housing Corporationのウェブサイトをご覧ください。 Should foreign investors be banned from buying property? | CMHC (cmhc-schl.gc.ca)
外国人によるカナダ不動産購入規制の兆し
MLS リスティングルールの変更
2020年4月7日、Alberta Real Estata Association よりコロナウイルス蔓延の影響によるMLS上での不動産売却時の見学依頼に関するルール変更(緩和)の発表がありました。 これまでは規約2.03.bの規定により、MLSに売りに出されている物件は見学依頼を受けた24時間以内に内覧可能である必要がありましたが、不特定多数の見学者によるコロナウイルス媒介を防ぐ目的で、売主は見学依頼を拒否することができるようになりました。 物件購入実務的にはまずオンライン上での写真・ビデオリンクの閲覧とエージェントによる物件調査の上購入オファーを行い、仮契約(合意)に至った場合にのみ内覧が可能になるケースが増えるものと思われます。内覧の上、物件が思っていたのと異なる場合には契約を白紙撤回することができるための条件付きオファーとする必要があります。 コロナウイルス感染症が蔓延し始めて以来、見学者による汚染を避けるためMLS上での売却を見合わせていた売主にとっては、実際にオファーをしてくれる真剣なバイヤーのみの内覧とすることができるため、今後売り出し物件の増加に寄与するルール変更であると思われます。
12月カルガリー不動産市況
2017年12月のカルガリー不動産市場は全ての住宅タイプにおいて販売(需要)が改善し2か月連続で長期的な平均に達したものの、同時に新規売り出し物件(供給)も典型的な12月のレベルに増えたため、結果として市全体のベンチマークプライスは5か月連続で下がりました。 戸建て市場は2017年上半期は販売が好調で価格上昇となりましたが、価格の上昇は売り出す好機と判断され売り物件が増えたことにより上昇が抑えられることとなりました。結果として2017年通年の戸建てベンチマークプライスは$504,867となり、前年比で0.63%の上昇に落ち着きました。 タウンハウスや2世帯住宅スタイルの物件も年初から第三四半期まで同様に価格上昇がみられましたが、第四四半期には増加する売り物件の影響もあり、2017年通年のベンチマークプライスは$332,325となり、前年比ではマイナス0.13%の微減に落ちつくこととなりました。 アパートメントスタイルの集合住宅に関しては、引き続く供給過多が新築・中古市場共に重しとなり前年比で4%の下落となり、2015年からのリセッションからは12%の下落となっています。 多くの経済指標が改善する中で、2017年カルガリー不動産市場は第四四半期を強い販売の増加で終えましたが、同時に景気の回復を待ちわびていた売り物件が増加する両側面を持つ年となりました。