二年に渡る原油価格低迷のあおりを受けていたカルガリー不動産市場に変化の兆しが見えてきたかもしれない。10月3日付けのCalgary Real Estate Board(CREB)発表の9月不動産統計には戸建て住宅部門でのちょっとしたニュースが取り上げられています。
全体としては戸建て部門を含め特にアパートメントスタイルの集合住宅において前年同月比で不動産価格が下落しているものの、実需のある40万ドル~50万ドル位を中心とした戸建て物件は地域によっては買い手がすぐに見つかるケースもちらほらと見受けられます。戸建て部門の販売件数が前年比でプラスに転じたことは少なからず戸建て住宅部門が安定してきたことを示すでしょう。
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前年比・前月比といたパーセンテージを使った話をすると長く低迷していたカルガリー不動産市場にとっては朗報となりますが、ここで特筆したいのは販売件数自体は実はたいした伸びではないということです。昨年9月の戸建て販売数が市全体で906件だったものが945件に増えただけですから。むしろ今回戸建て物件が安定しているのはこの経済情勢のなかで思いのほか売りが出ていないことに注目すべきでしょう。2016年年初から9月末までの統計比較では今年の新規戸建て売り物件総数は過去10年で最低であるといえばわかりやすいかもしれませんね。新築物件の生産調整が少なからず影響しているとはいえ失業率の増加がまだ止まりそうにない現状からするとカルガリーのホームオーナーはよく耐えているといえるでしょうね。